地方公務員の主な仕事内容と民間企業との違い【民間企業出身の現役公務員が語る!】

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地方公務員が日々、どんな仕事をしているか知らない方も多いでしょう。

私は5年以上、民間企業(メーカー)に勤めて、地方公務員の”社会人採用試験”に受験し、公務員に転職しました。

この記事では、地方公務員の主な日々の仕事内容と、民間企業の違いについて紹介します。

公務員就職を考えている方、また公務員への転職を考えている方はぜひ参考ください。

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私の役職と部署

私は地方公務員の中でも、都道府県庁に勤めています。

30代で入庁したので、役職は主任レベル(下から2番目)です。

そして入庁後は国際部署に配属されていたので、そこでの主な仕事内容を紹介します。

※そのため、すべての自治体と部署に当てはまらないこともあります。

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①年度初めの業務引継ぎと年間スケジュール把握

新規採用職員として入庁して部署に配属された直後や、部署異動した直後の4月には、前任者から業務引継ぎを受けます。

部署異動ではなく、係の中での担当業務変更であっても同じです。

公務員は3~5年に一度は異動があるため、頻繁に業務引継ぎが行われます。

基本的に代々受け継がれている引き継ぎ書を確認しつつ、前任者からも直接説明を受けて自分の担当業務内容を確認します。

その際に、前年の業務スケジュールを確認して、各月ごとにやらなければならない業務を整理します。

「5月は毎年の紹介業務がある」
「9月はイベントがあるので8月から準備しなければならない」
「2月から事業の精算のために報告書を回収する必要がある」

など、節目ごとの業務と、それに備えた準備の仕事を忘れないよう把握しておきます。

基本的に公務員の仕事は、前年踏襲であり、よっぽどでない限りは変化がありません。

そのため、年間スケジュールを把握しておけば、自分が担当する仕事が大体わかります。

 

民間企業時代は異動自体が少なかったので、毎年引継ぎを受けるようなことはありませんでした。

また業務の内容は決まっているものの顧客相手の商売なので、業務スケジュールは常に変化します。

その点、公務員は業務内容が予めわかりやすく、基本的にスケジュールどおりに動けば問題ないので楽だと言えます。

公務員の顧客は住民ですが、住民からの要望があっても、よっぽどでない限りは既存の規則や事業内容を変えることはないので、業務に影響が出ることもありません。

そういった意味でも、公務員は業務内容が常に安定していると言えます。

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②決裁書の起案

公務員の業務の大部分を占めるのは、決裁書の起案です。

公務員は何をするにも”伺い”を行って、部署内で決裁を取得して行動します。

以下はそのうちの一部です。

・依頼、通知、照会文書の送付
・イベント、事業の実施
・業務委託の実施
・支出関連(物品購入、出張旅費、通信運搬費など)
・挨拶文の作成
・外部送付資料の送付許可
・公的な会議の招集

上記以外にも、何か実行するときには”決裁書”を作成します。

記入したら起案者の捺印を押し、所属する係全員、課長や部長に回覧していきます。(内容によって最終決裁者が変わります)

回覧の過程で、内容はさることながら、誤字脱字のチェックも厳しく受けて、何度も差し戻されることもあります。

そうやって最終決裁者の捺印が得られれば、そこからようやく具体的な業務の実行に移ります。

この決裁書の起案業務は公務員の業務の最も基本的なもので、全員が必ず行います。

自分が起案せずとも、必ず同じ部署や係の人の決裁が回ってきて処理することになり、自分の捺印も押すので、注意深く確認する必要があります。

 

民間企業時代と比較して最も驚いたのは、この決裁書の多さでした。

民間企業時代は、よっぽど高額の支出案件を行う際や、将来残るような重要文書作成の際にしか決裁書は作っていなかったため、公務員になってから毎日決裁書を確認するのは驚きました。

そもそも民間企業にいたときは、顧客対応のスピード感が最も重要だったため、いちいち決裁書を作る暇はなく、直接上司に相談したり、他部署と打ち合わせして1日で顧客に回答するなどしていました。

一方で、公務員が対外的に何かを行う際には、必ず決裁書を作成し、最終決裁者まで回るまで2~3日はかかるため、このスピードの遅さには驚かされました。

また、民間企業時代は文書の誤字などそこまで厳しくチェックされませんでしたが、公務員の文書は基本的に間違いはご法度なので、徹底的に係員や上司からチェック・修正されます。

初めて起案を行った際は、誤字や表現間違いも多かったため、赤ペンによる修正だらけで起案が差し戻されたという苦い思い出があります。

③外部業者への業務委託

公務員は色んな細かい仕事をしているように思うかもしれませんが、実は多くの業務を外部業者に委託しています。

例えば、イベントの運営であったり、広報物のデザイン作成・印刷、通訳の手配など、数多くの場面で外部業者に仕事を委託します。

業務委託の際にも決裁が必要であり、

実施伺い → 見積もり伺い → 契約伺い → 支出伺い(精算)

といった各段階で決裁を取得する必要があり、非常に手間と時間がかかります。

各決裁を取得するためには、仕様書や見積書、業者情報などの資料を十分に準備する必要があり、業者とのやり取りにも時間がかかります。

1社のみならず複数社から見積もりと提案を受けなければならず、見積書も同じ様式に揃えたりしなければならないため、全部揃えるのにも非常に時間がかかります。

これは発注する上で公平な入札を行うためですが、この点が公務員はかなり厳しいというわけです。

 

民間企業時代は、高額な発注案件についてはきちんとした選定プロセスはあったものの、公務員ほど厳しくありませんでした。

そもそも見積もりを取る段階から”伺い”の決裁を行ったり、同じ様式の資料を揃えるなどの形式的な作業はまず不要でした。

そのおかげで、スピーディー且つ柔軟に発注を行うことができていました。

さらに、民間企業時代は正式な発注前に、複数の業者から事前見積もりを取得することが可能だったので、事前見積もりを複数業者から貰い、値下げ競争をある程度行わせた上で、本発注の決裁に移ることもできました。

そのため、ギリギリまで下げた値段で発注することもでき、コストカットに大きく貢献していました。

一方で公務員は公平性の観点から、一発勝負でしか見積もりを取得できないので、コストカットが行われないという問題もあります。(詳しくは以下記事参照)

④イベント時の内部資料作成

自治体が開催するイベントで、式典や会合などの首長や部課長などが参加するものは、かなり入念な準備が必要で、多くの内部資料を用意します。

例えば、事前に”ロジ表”というものを作成します。

ロジ表は、イベントなどの際の進行管理表のようなものです。

首長や部課長がイベントに参加する際には、どのタイミングでどこに登場するかなど、非常に気を遣う必要があるので、ロジ表はかなり重要です。

また、式典や会合の場合は、上司のみならず来賓も一人一人どこに座るか予め決めておく必要があるため、”配席図”を用意する必要があります。

配席も、自治体にとって大事な相手(議員・政府機関・外部組織の重役など)に失礼のないよう決定する必要があるため、事前の内部確認が必要になります。

そして首長や部課長がイベントでスピーチを行う際は、”挨拶文”を作成します。

挨拶文はスピーチ原稿のことであり、基本的には昨年度のものを踏襲しますが、日付等はもちろん更新し、その他、時事情報を加えるなどアレンジすることもあります。(詳細は以下記事参照)

このように、首長や部課長が参加するイベントは、絶対に失敗が起きないように資料を十分に揃えた上で開催されます。

上記のロジ表・配席図・挨拶文も基本的にすべて決裁が必要であり、開催前に部課長が確認して承認するほどです。

 

民間企業時代は、自社と顧客の重役同士の打ち合わせを担当することはありましたが、そこまでの資料を準備することはなかったので、公務員になってからのカルチャーショックでした。

自社の重役に対しては、ビジネスの内容について事前に説明しておくことはありましたが、わざわざ挨拶文を作ったこともありませんし、配席も当日決めていました。

そのため公務員になってからは、その儀式的なイベントの進行に違和感を覚えずにはいられませんでした。

(その他)他部署との打ち合わせはほとんどない

公務員は打ち合わせの数は少ないです。

上述のとおり、基本的に決裁書を回すことで、係全員の仕事の進捗具合はわかるので、決裁書を通じて情報共有がなされている感じです。

また民間企業と違って、顧客からの急な要望などもなく、ルーチン業務がほとんどのため、関連部署を集めた緊急ミーティングもほぼありません。

ただどうしても他部署に相談に行く際は、資料などしっかり準備した上で、少し気合を入れて行きます。

また、外部業者との打ち合わせもそこまで多くありません。

担当業務にもよりますが、国際部署にいた頃は月に一度か二度あるかで、挨拶程度で終わるものも多かったです。

公務員は3~5年で部署異動してしまうため、外部業者とそこまで深い関係になることが無いことも原因でしょう。(特定業者との癒着が起きないようシステムが上手く働いているとも言えます)

 

民間企業時代は、メーカーのBtoBビジネスの企画部で、社内調整を行う役目だったので、1日に3~5回打ち合わせすることもざらでした。

打ち合わせ相手も、営業部・開発部・生産部・品質部など色んな部署が対象になります。。

打ち合わせに呼びたくても時間がない人も多く、調整に度々苦労していました。

また打ち合わせに呼ばれることも多く、参加する度に仕事が増えていたので、ブラック企業要素もありましたが、当時はよく働いていたなと感じます。

一方で公務員になってからは、打ち合わせがまず無いので、ずっと自分のペースで仕事ができます

他部署の人を捕まえるのに苦労するこもとなく、打ち合わせに呼ばれて仕事が増えることも極めて少ないです。

そのため、基本的にはデスクに座って事務作業している形で、他人との関わりでのストレスは少ない仕事環境です。

(その他)メールはかなり少ない

公務員は受信するメールも少ないです。

前述のとおり、業務はルーチンでほぼ決まっており、急な顧客からの要望や、業者からの提案なども滅多にないからです。

私が国際部署にいたときは、1日に平均10通以下しか受信しませんでした。

住民からの問い合わせが来ることもありましたが、それは個人のメールアドレスではなく、部署のメールアドレスに届き、担当である私に転送されて対応するというものです。

しかしそれも滅多に来ることはありませんでした。

 

一方で公務員になる前の民間企業時代は、1日に50通以上のメールを受信していました。

メーカーの社内調整の部署だったので、社内メールがほとんどでしたが、内容は顧客要望・見積もり依頼・品質クレーム・開発課題など様々でした。

そのためメールチェックだけでも一苦労で、打ち合わせが多い日はメールチェックが追いつかないので、残業してメールを捌くことが何度もありました。

有給を取った日の翌日に出社すると、メールが100通溜まっていることもあり、迂闊に有給を取ることもできませんでした。

公務員になってメールの数が激減したので、そうしたストレスから解放され、ストレスフリーな生活を送っています。

まとめ

以上、公務員の仕事内容の基礎的なものを紹介しました。

まとめると以下のとおりです。

【地方公務員の基本的な仕事内容】
①年度初めの業務引継ぎと年間スケジュールを確認(4月にこれから行う業務を整理)
②決裁書の起案(公務員のメインの仕事)
③業務の外部委託(実際の細かい仕事は業者に委託することがほとんど)
④イベントの資料の作成(首長や部課長が出席するなら入念な準備が必要)

【民間企業と比較しての特徴】
・打ち合わせは少ない(他部署との連携も少なく、業者とも頻繁には会わない)
・受信メールも少ない(外部や内部からの問い合わせも極めて少ない)

あくまで、都道府県庁の国際部署に所属していた私が体験した内容のため、事情が違う場合はご了承ください。

しかし基本的な部分はどこの部署も同じなはずです。

ブラック気味の民間企業出身の私からすると、公務員の仕事はほぼやることが決まっていて、イレギュラーなことが起きる機会が少ないので、ストレスが非常に少ないです。

「なんでこんな細かいところを気にするの?」「なんでいちいち決裁を取らないと動けないの?」と不満に思うことも多いですが、公務員の方が忙しさは圧倒的に少ないです。

この記事が、公務員の仕事に興味のある方の参考になれば幸いです。

 

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