【衝撃!?】公務員のコスト意識が民間と比べて低い理由(元メーカー社員が失敗談とともに解説)

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よく「公務員はコスト意識が低い」と言われます。

果たしてそれは本当でしょうか?

この記事では、メーカーで5年以上働いた後に、地方公務員に転職した私が感じた民間と公務員のコスト意識の違いと、その理由について紹介します。

民間企業から公務員を目指す方で、自身のアピールポイントとして”コスト意識”を挙げる際には、ぜひこの記事を読んで内情を理解してからにしましょう。

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公務員のコスト意識が低い理由

①発注プロセスが大変

まず発注プロセスが大変で、コストカットできそうな新しい業者を積極的に探そうとしない点があります。

自治体が金額の大きい発注を行う際は、

①事業実施伺い(=事業を行ってよろしいか?)
②見積もり実施伺い(=見積もりを取ってよろしいか?
③契約伺い(=契約してよろしいか?)

といった順序で決裁書を回して、発注を行います。

それぞれ簡単に済ませられるものではなく、

・実施理由
・仕様書
・見積もり先業者情報と選定理由
・前年度の実績

といった多くの情報と書類を揃えて、決裁書を回します。

内部書類ですが、書類に少しでも不備があるとやり直し(決裁書が戻ってくる)であり、上司が不在だと決裁が回らないので、最終的に何日もかかってしまうこともあります。

もしここで今までに実績のない見積もり業者を加えると、上司から

「この業者は実績ないけど本当に大丈夫か?」
「ちゃんと事前にヒアリングしたか?」

と聞かれて、多くの説明が必要になります。

また見積書の様式が決まっている場合、初見では難しいものもあるので、業者に対して、

「金額は税抜きをこちらに書いてください
「捺印は角印をおもて面だけに押してください」

などとわざわざ説明する必要があります。

このように新しい業者を入れると発注までに時間がかかり、事業開始が遅くなります。

もし実績のある業者の場合、阿吽の呼吸で見積書を送ってくれるので、説明不要です。

なぜここまでプロセスが大変かというと、行政の立場として公平な入札を行うため」です。

例えば、担当職員が業者と癒着をしていないかを確認すための見積もり先のチェックや、業者ごとに全く同じ内容で見積もりを出してもらうための仕様書のチェックです。

 

ちなみに私がメーカーで働いていたときに、下請け業者から見積もりを取るときは、決裁などを取らずに独断で見積もりを取ってから、その見積書に基づいて発注することも頻繁にありました。

そうやって色んな業者から見積もりを取って、最終的に一番安い業者を選んでいました。

もしそのときに公務員のやり方を取っていたら、なかなか安い業者を見つけられずに、事業スケジュールもどんどん後退していったことでしょう。

そのため公務員になって初めて発注業務を行ったときは、

「見積もりを取るくらでいちいち上司の許可がいるの??」

というカルチャーショックを受けました。

②入札は1回限り

次に、自治体の入札は基本的に1回しか行われず、初回の見積金額から値下げできないからです。

自治体が複数業者による入札を行う際は、初めに要望仕様を完全に固めてから見積もり依頼をします。

そして見積もり入手後は、その1回目の見積もりで一番安かった業者と契約をします。

そのため、1回目の見積もり金額から下がることはありません。

このように入札が一回きりである理由は、業者側に正当な利益を提供するためだと思います。

もし入札を1回で終わらせず、何度も繰り返した場合、業者側が自身の利益を削って再見積もりを出すことになります。

このような逆オークションのようなジリ貧の値下げ合戦が行われると、最終的な受注業者の利益はほとんど残らなくなってしまうのです。

自治体としてコストカットは必要ですが、必死で経済活動を行う事業者の首を絞めてまでコストカットするのは、市民の生活を守る自治体の行動としては間違っているということでしょう。

 

ちなみに私がメーカーに勤めていたときは、法人営業先の企業の立場が非常に強く、何度も入札が繰り返されました。

先方の担当者から

「他社は○○円で提案されてますよ」

と告げられて、上司に相談してそれを下回る金額を提案していましたが、他の業者にもそう言っているので、どちらかが折れるまで値下げ合戦が続きます。

また海外の企業では、独自に逆オークションシステムを作りあげて、システム上で入札合戦を繰り返させるという非道な企業もありました(最終的に入札が5ラウンド行われることもありました)。

自治体でもここまですればコストカットは図れますが、市民の生活を守る自治体としてそこまでやる必要はないのでしょう。

③コストカットを評価されない

公務員は業績評価の際に、コストカットが評価されてボーナスが上がることは滅多にありません

そもそも公務員の仕事では、事業ごとに予算が決められていて、その予算内で事業を遂行できたかどうかしか見られず、いかにコストカットできたかはほぼ評価されません。

実際に毎年行われる人事評価の面談の際にも、

「事業をスムーズに遂行したか」

「工夫して業務に取り組めたか」

などの話しかせず、「いかにコストカットして事業予算を圧縮できたか」と問われたことは一度もありませんでした。

 

ちなみにメーカーで勤務していたときは、新規ビジネス受注のためにはコストカットは必須条件だったため、全員がいかにコストカットできないかを必死で考えていました。

そして安い部材や技術を見つけて、大規模なコストカットをした担当者は大きく評価され、ボーナスアップに繋がる人もいました。

④”大規模なことをやった感”が大事

上の話とも繋がりますが、公務員が行う事業ではコストカットよりも規模感が重要視されます。

例えば、自治体が大きな事業を行った際は、マスコミ発表や新聞記事への掲載、またそうでなくてもHP上での報告が行われます。

その際に、

「昨年度より○百万円コストを削りました!」

などの話にはならず、

「総勢○○○人を一堂に集めた事業を○○○○○○の会場で実施しました!」

と規模感を大々的にアピールするのが常です。(おそらく↑のような見出しは見たことがあるでしょう)

そのせいで自治体の中にいると、「費用対効果が全く合ってないな」と感じる事業も多いです。

ちなみに、私はこのことが原因で民間企業の方から怒られたこともあります(以下記事参考)。

⑤翌年以降のために当年度予算は使い切り

公務員の中では、「事業予算を基本的には使い切るべき」という風潮があります。

なぜなら、もしコストカットして事業支出を大幅に減らしたとして、翌年度の同じ事業で同額の予算を取ろうとした際に、財政部署から

「今年度は○○万円でできたんだから、来年度もそのベースで予算を組むように」

と言われ、予算を減らされてしまいます。

そのため積極的なコストカットは、翌年度の担当者の首を絞めることに繋がるのです。

自治体の事業予算は基本的には前年度と同額か減らされることがほとんどなので、担当者は少しでも減らされる要素を作らないよう必死なのです。

そういった根本的な考えがあるため、コストカット=評価に繋がるという意識がないのでしょう。

 

これは民間企業では考えられないものです。

民間企業の場合、自社の利益を最大限に増大させるためにコストカットは積極的に行い、時に予算が余った際には、更なる事業拡大のために設備や人材への投資を行うこともあります。

しかし自治体の場合は、利益や事業拡大とは無縁のため、コストカットのモチベーションが湧きません。

また、自治体は単年度会計(事業を翌年に持ち越せない)が基本であり、予算が余ったからといって来年度に向けた別の何かに使える仕組みでないため、企業のように投資を行うことができないといった理由もあるでしょう。

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民間企業時代のコスト意識を持ち込んで失敗した話

以上が、公務員のコスト意識の低さの理由ですが、それにまつわる私の失敗談を紹介します。

コストカットの結果予算が余り過ぎて大失敗

私が転職当初、これらの理由がわからず、民間企業出身というプライドもあったため、コストカットを頑張ったことがありました。

具体的には、イベント時のチラシや名札などの業者を、前年と異なる安価なネット業者に依頼したり、イベント時の飲み物を個人商店から買わずに大手スーパーでまとめ買いして保存しておくなどです。

その結果、イベント自体は問題なく成功したものの、予算が大量に余ってしまったため、ベテラン公務員の上司から、

「何がなんでも予算は使い切れ!」

と指示を受けて、結果的に報告書のデザインの質や数量を無駄に上げたり、余計なお土産関係を購入したりすることになりました。

その結果、報告書やお土産の配布先も増えてしまい、余計な仕事も増えてしまいました。

そして人事評価の際には、特にコストカットが評価されず、上司からは

「なんとか予算を使い切れたから、来年度の予算も無事に取れるだろうね」

という言葉を告げられました。

民間企業ではあり得ない話ですが、この記事で紹介した内容が凝縮された出来事でした。

コストカットは地元の企業のためにならない?

以上のような「必要もないのに予算を使い切る」という行為は、市民の税金を預かっている自治体としては絶対にあってはならないと思います。

そのため、私が行ったコストカット自体は良いことをしたと思っていますが、一方で悪い側面もありました。

それは、コストカットのために従来頼っていた地元の印刷業者や小売店に頼まず、ネット業者や大手スーパーを利用することで、本来は地元の業者に行くはずであった売上が他の大手業者に流れて行ってしまったという面です。

自治体の事業は地元経済を潤す役割も担いますが、コストの追求によってそれを止めてしまったかもしれません。

一方で自治体が競争力のない地元企業に無理に肩入れして生かし続けるのも違うと思いますが、徹底的なコスト追求は地元の経済に悪影響を及ぼすとも考えさせられました。

これは私が今後、公務員として発注を行っていく上での永久の課題として残りそうです。

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おわりに

公務員は民間企業と比較して、求められるものが異なるため、コスト意識が異なります。

また、発注する業者の利益と公平性を保つ上では、コストカットがどうしても難しくなるという事情もあります。

そのため全てが悪いとも言えませんが、自治体として”税金の無駄遣い””コストカット努力への怠慢”は避けるべきであり、できる範囲での努力が必要となるでしょう。

 

↓もっとヒドい天下り組織の実態

↓公務員の仕事姿勢に激怒!

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