地方公務員の一番のお客様とは?(地方議会議員への忖度)

ストレス
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公務員のお客様は“地域の住民”というイメージが強いと思います。

しかし実際に公務員になるとそうでもないことがわかりました。

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民間企業時代のお客様

私がメーカーに勤めていましたが、入社して初めの一年間は研修として販売店舗の売り場に立ち、一般客相手に販売をしていました。

一般客相手なので色んな種類の人間と遭遇し、「タメ口のヤンキー」、「話の通じない高齢者」、「何も買わないくせに知識自慢してくる」など目白押しでした。

理不尽なことを言われることは多々あり、気にしないようにしていても、どうしても心に傷を負ってしまうことも多々ありました。

 

しかし一年の研修を終えると、車関係のBtoBの事業部に配属となり、お客様は自動車メーカーの担当者となりました。

担当者は大手企業の方ということもあってか、みな常識が通じる人で、理不尽なことを言われることは一切なかったです。

コストダウン要望など、厳しい話はありましたが、お願いの仕方や態度は紳士的で、人とのやり取りでストレスを抱えることはありませんでした。

悪質な客から受ける精神的ダメージが無いという点では、「BtoBの仕事で本当に良かったな」と心から思っていました。

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公務員に転職して…

以前のメーカーの仕事内容については文句は無かったのですが、故郷に帰りたいという思いと会社の経営状況への不安から、公務員に転職することを決意しました。

幸運にも一発で公務員試験に合格し、公務員生活を考えるにあたって、

「住民相手の仕事になるので、話が通じない人とも遭遇するだろうな…」

「窓口で罵られたり、クレームに付き合わされたりするんだろうな…」

という想像をして、仕事に挑む覚悟を決めていました。

しかし実際に転職してみると、配属は国際関係の部署で、普段やり取りするのは企業やNPO、イベント委託業者などで、一般住民との接点は全く無しでした。

「これじゃ前のBtoBの仕事と変わらないじゃん」と思いつつ、人とのやり取りでストレスを感じることなく仕事ができました。

もっと言えば、私がやり取りするのは「お客様」ではなく「委託業者」が多く、基本的に私の自治体がその業者にお金を払うことがほとんどであったため、私が常にお客様側でした。

そのため、私が頭を下げることはほとんどなく、気遣いで疲れるといったことは全くありませんでした。

 

このように、公務員といっても一般住民を相手にする窓口業務がすべてではないのです。

例えば市役所や県庁に行ってみても、窓口部分は1階や2階だけのところも多いと思いますが、それより上の階も多く存在していると思います。

それらの階では窓口業務ではなく、地方行政の運営や管理といった内部業務を行っていると考えて良いでしょう。

どちらかといえば、市区町村より都道府県庁の方が所管業務の特性上、窓口業務より内部業務の比重が多い思います。

実際に、都道府県庁の窓口は1〜2階までで、それより上にもいくつものフロアがある建物が多いのではないでしょうか。

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窓口業務でない部署の最大のお客様とは?

それでは、私が所属する国際関係部署に実質的な”お客様”(気を遣って対応する対象)がいなかったかというと、そうではありません。

ではそれが誰だったかというと、地方議会議員でした。

私がまだ入庁したての頃、電話がかかってきたので取ると、

「〇〇議会議員の△△ですが☓☓の件について聞きたいのですが」

と電話がかかってきました。

私はその時点で議員の重要性をわかっておらず、案件についても誰が担当か不明だったので少し悩んだ後に、上司に

「△△さんという方から☓☓についての電話ですが」

と普通に伝えると、急に上司が顔色を変えて電話に出て、いつも以上の丁寧な言葉遣いで対応していたのを覚えています。

後に上司から、

「議員には一切粗相があってはならないから、電話が来たらすぐに私に繋ぐように」

「もし私がいなかった場合、簡単なことは答えてと良いけど、少しでも曖昧なことがあれば調べてかけ直すと言って、一旦切って良いから」

と言われ、議員に対しては特段の配慮が必要であることがわかりました。

その後も、急に居室を訪問してきた議員に上司が頭を低く下げてお迎えして奥の会議室に通したり、議員から受けた質問に対して上司らが頭を悩ませて回答案を作る様子を見ても、その扱いの大事さがわかりました。

また海外視察などで同行する際も、準備の段階から特段の配慮が必要であり、当日も常に気を遣って動き回る必要があることも知りました。(詳細は以降の記事で記します)

議会議員の役割

議会議員は“住民の代表者”であります。

正直なところ、役所にも住民から「〇〇事業の補助金はもっと増やすべきだ」とか、「もっと△△(海外の都市名)との友好関係を深めるべきだ」といった意見などを電話で受けることもありますが、あくまで1住民の意見として本気で取り合いません

しかし住民の代表として力を持った議員からの意見となれば、そのようにぞんざいに扱うことも難しくなります。

そもそも議員は、その責務を果たすため、執行部(行政を行う公務員側)に対して不満や要望を伝え、改善するよう促すことが仕事です。

彼らが議員生活を続けるためには、住民からの支持が必要であり、それを得るためには「自分が行政側をここまで動かせた!」という功績が必要なのです。

一方で執行部も、予算や人的リソースに限りがあり全て要望のまま受け入れるのも無理があるケースもあります。

また大胆な変革はリスクを伴い、損失が生まれた際には「議員に言われたからやった」という言い訳もできないため、慎重になってしまうという公務員特有のジレンマもあります。

そういった関係下で、執行部は議員から問い合わせや要望を受けた際には、慎重にその内容を精査し、すべての要望を飲めない場合は落とし所を準備して回答し、両者が納得のいくよう折衝を行っているのです。

その折衝を行う上で、執行部しては議員に敬意を示して丁重に扱うことで、議員の気分を良くして、落とし所で納得してもらうよう取り計らうのは一種の戦法なのです。

一見すると汚いやり方にも思えますが、民間企業もお客様相手に接待をしたり、親密な関係を築くことでビジネスを円滑に回しているという点で、やっていることは同じだと思います。

終わりに

この記事は、公務員にとっての地方議会議員の存在について知っていただくために書きました。

少なくとも私は公務員になるまで、公務員と地方議会議員の現場でのやり取りについて知らなかったため、参考になればと思います、

また、公務員転職試験を受ける上で、面接や小論文に備えて、志望する自治体の政策情報などを勉強する方も多いと思います。

そうした方は、自治体のHPだけでなく、その自治体の議会議員のHPなどを覗くと、ブログなどでリアルタイムの活動内容を見ることができ、生きた情報を得ることができるのでオススメです。

コメント

  1. K より:

    はじめまして。
    移転前のブログから参考にさせていただいています。
    おかげさまで私も来月から某県庁の職員です。

    私も主なコミュニケーション相手は委託先になると想定しており
    議会議員のことは頭にありませんでしたので、興味深く拝読しました。

    今後も更新を楽しみにしております。

    • nanone41 より:

      Kさん
      ブログをお読みいただきありがとうございますm(_ _)mとても励みになります。
      県庁職員になられるとのことで、おめでとうございます。
      議会議員については、対応するのは管理職以上になるとは思いますが、管理職が議員の名前を出して話し合っている声をよく聞くと思います。
      また行事ごとでの出席議員への配慮は不可欠ですので、予め「一番のお客様相手」ということで注意しておくに越したことはないと思います。
      同じ県庁職員として、現場でのご活躍をお祈りいたします。

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