民間の方から軽く怒られた話(公務員の仕事の悲しい現実)

イベント
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公務員となったからには、住民・地域の実益のために事業を行うのかと思っていました。

しかし実際に働いてみると、色んなしがらみで上手くはいかなかったことがあったので、その体験談と今後の決意を紹介したいと思います。

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急なイベントのお話

ある日、いつも通り仕事をしていると、急に上司からある地域のイベントについて任されることとなりました。

そのイベント内容は、地域の飲食店に対して特産品を無償提供(自治体の予算にて)し、それらを飲食店でお客さんに無料で提供してもらうというものでした。

急なイベントだなと思って話を聞いていると、どうやら議会からの話であったようです。

※基本的に自治体職員は議会からの話は断ることはできません。

結局やるしかないんだろうと諦めながらも、飲食店にとっては悪くない条件だとは思いました。

そこで早速、知り合いの伝手で何軒間かの飲食店の方々と話をしにいくことにしました。

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飲食店の方々への打診

飲食店の方々とお会いすると、大体の方は優しく、

「自治体さんからの要望であれば喜んで引き受けますよ」

「逆にウチなんかでやらせてもらって良いんですか?」

という反応で、スムーズに話が進みました。

地方自治体の信用は並ではないなとも感じました。

しかし順調に話を進めていく中で、とある飲食店に行くと、

「それをやってウチにメリットはあるんですか?」

という厳しい反応が返ってきました。

思ってもいなかった反応に一瞬ひるみましたが、すぐさま、

「自治体とのタイアップということで話題にもなるかもしれません(汗」

「特産品提供の広報は自治体側の予算で行うので、そちらで支出は不要です(汗」

などと説明して、納得してもらおうと思ったところ、

「過去に同じような企画をしたけど、大して話題にならなかった」

「スタッフが特産品の説明を求められたり、専用の皿を用意したりしないといけないし、仕事が増えるだけじゃないか?」

「無償提供した分、ウチの料理を頼まなくなって、客単価が落ちてしまうんじゃないか?」

という追い打ちを受けました。

不意を突かれて反論ができなくなり、

「できるだけ迷惑はかけないようにイベント実施したいと思います・・・(汗」

と苦し紛れに説明することしかできませんでした。

しばらく同じやり取りを繰り返して、最終的に、

「まあ付き合いもあるし、やりますけどね」

と本当は納得してない様子ながらもOKを貰いました。

当初、自分の中では、

「無償提供だから断る飲食店は無いだろう」

「広報も自治体がするんだから、飲食店側には損は無いはず」

という余裕な考えでいたので、頭を殴られた気分でした。

そして、別の飲食店に話をしに行くと、さらに厳しい意見を貰いました。

「行政のやる企画は形だけなので、協力したくない」

「デパートで試食会した方が、不特定多数に提供できるんじゃないか?」

「特産品を店で出すより、インフルエンサーに特産品を宣伝してもらった方が費用対効果が大きい」

とぐうの音も出ない反論を受けてしまい、結局、最終的にもその店には協力してもらうことはできませんでした。

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上司への相談

自分の考えの浅さもあり、あまりにも衝撃を受けたため、本庁に戻って上司に相談しました。

「飲食店にとってはメリットが無い企画になり、自治体の自己満で終わるかもしれない」

「デパートでの試食会やインフルエンサーの活用という最もなアイデアをいただいた」

とありのままを説明しましたが、もう議会側への話も通っており今さら話を覆すことは難しいということでした。

また飲食店の方々からいただいた提案も、議会に納得してもらえないだろうとのことでした。

というのも、イベント終了後の報告書を作成する際に、

「デパートで試食会を実施しました」

とか、

「インフルエンサーにSNSで宣伝してもらいました」

と書くより、

「地域の飲食店〇〇店舗に協力いただき、特産品をお客様に提供しました」

と書く方が、他を巻き込んで大々的なイベントを実施したような印象で、見映えが良いということです。

結局、私程度では議会を納得させるということは無謀すぎるため、元のプランに戻すこととし、協力してもらえる飲食店だけとイベントを行うことにしました。

しかし、私の脳内では厳しい意見を持つ飲食店の方々の言葉が忘れられず、イベントの最後まで悶々とした気持ちを抱えることとなりました。

イベント以降に考えること

この出来事以降、行政の実施するイベントについて深く考えるようになりました。

民間は事業を行う上で売上や利益といった数字を必ず追いますが、行政は数字を考えることは少ないです。

どちらかというと、事業では直接的な実益を生むというより、実益を生むための種まきをするという業務が多いと思います。

そのため、成果として数字が測られるのではなく「いかに他者を巻き込んだか」「文字に起こしたときに聞こえが良いか」という見映えが何より重要視される傾向にあると思います。

確かに、行政の事業について、事後にどれくらいの実益を生じさせたのかという点を評価する人など少ないと思います。

ほとんどはニュースなどを見て「こんな大きいイベントやってたんだ」という印象的な評価しかしない人が多いことも原因だと思います。

それを逆手にとって、実益の薄いけど、見映えや聞こえだけ良いイベントを作り上げてしまう習性が、公務員にはできている気がします。

今回のイベントで、私自身も議会や上司に言われるがままだったため、まさにその一人になってしまいました。

しかし、もしかしたら鋭い指摘をしてくださった飲食店の考えを上司に説明して、飲食店側もメリットがあるような代案を出せたかもしれません。

そして議会側も納得するような落としどころを見つけられていたら、全員にとって有益なイベントに終わらせることができたかもしれません。

常に全員が100%満足する事業を行うというのは困難だと思いますが、ひょっとしたら全員が70%くらい満足する落としどころがあったのかもしれません。

今回の出来事は、民間企業を経験した私としては非常に恥ずべき内容だということで、脳裏に刻んでおくことにしました。

そして今後は、民間企業の方々に確かな利益を与えられる公務員になりたいと思います。

 

↓こんな公務員にはなりたくない!

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