公務員に海外出張はあるの?(部署別の出張タイプと3か国の訪問談)

仕事内容
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公務員で海外出張したという話はあまり聞いたことが無いと思います。

しかし意外と出張の機会は多く、私も体験したことがあるので紹介します。

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公務員の海外出張のタイプ

地方公務員で海外出張する部署するのは、国際部署・観光部署・商工部署がメインだと思います。

ただ、首長が参加する出張の場合は秘書課の職員も同行したり、イベントなどのPR事業であれば広報課も同行したり、国際部署の事業で例えば医療関連の内容であれば医療関係課が同行したりというパターンもあります。

ただ基本は3部署がメインかと思います。

国際部署

国際部署の場合、海外の姉妹都市や友好都市を持っている場合に、”姉妹都市提携○○周年記念”といった周年記念事業を海外で行うことがあります。

自治体ではこうした周年事業を大事にする傾向があり、5年や10年ごとにそうした事業を計画し、海外出張する場合があります。

そうした場合は首長が参加するケースが多く、その場合は秘書課が同行します。

また姉妹都市以外にも、海外で行われる国際会議に参加するケースなどもあり、そのテーマが環境であれば環境課が同行したりといったこともあります。

姉妹都市の周年事業は数年刻みで行われ、複数の都市と提携を結んでいる自治体も多いため、毎年何らかの海外出張の機会がある国際部署も多いのではないかと思います。

観光部署

観光部署の場合、海外のある国からのインバウンド旅行客を増やしたいという場合に、その国に出張して現地調査や委託先訪問などを行うケースがあります。

自治体の中には海外で観光PRを代理で行ってもらうために、マーケティング会社などにPR業務を委託している場合があります。

そうした契約はレップ契約と呼ばれ、海外に事務所を持っていない自治体はその方法をとります。

そのための事前調査や契約締結を目的として海外出張するケースもあれば、業者との観光PRイベントを行うということで海外出張するパターンもあります。

行先については、自治体がどの国をインバウンドのターゲットとしているかによります。(自治体ごとに特定の国からの観光客が多いといった違いもあり、特色が見られます)

商工部署

商工部署の場合は、例えば海外に地場産品を売り出したい場合に、現地調査やイベントの実施などで海外出張する場合があります。

現地に事務所が無ければイベントの実施は難しいため、ほとんどは海外の業者と一時的な契約を結んだり、各都市の総領事館(外務省管轄)に協力を求めて行う場合もあります。

総領事館は日本を海外にPRする責務もあるため、自治体の要請に対して前向きに対応してくれるパターンが多いです。

出張先は、自治体ごとに地場産品が売れている国も異なるのでバラバラだと思いますが、距離の問題や文化の近さからアジア圏が多いように感じます。

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国際部署の海外出張の中身

以上が部署別の海外出張業務紹介ですが、ここからは国際部署の話をします。

私は国際部署に勤めていて、同僚が”姉妹都市提携○○周年記念事業”の海外出張の仕事をしているのをそばで見ていたので、それを紹介します。

議員の物見雄山

前述のとおり、姉妹都市提携の記念事業は5~10年スパンで行われます。

そして、そういった記念事業には首長や幹部の他に、議会の議員たちもぞろぞろと参加します。

”○○周年記念視察団”などという立派な名称がつけられ、自治体の職員と姉妹都市の職員の間で、本番に向けて準備が進められます。

しかし初めてその行程を見たときは、「ただの議員の海外旅行なんじゃないか?」と思いました。

皆さんも「議員が海外に行って何するの?」という疑問が真っ先に浮かぶと思いますが、基本的な行程は、周年式典への参加・懇親会への参加・現地公共施設の見学・現地の団体訪問といった具合で、一般人から見るとただの修学旅行のような内容です。

実際に”議員の物見雄山”という言葉もあり、過去に議員が海外の視察先で飲酒や買い物を楽しむ様子がニュースに取り上げられ、市民から批判されるケースもありましたね。

しかも式典や懇親会では、現地の美味しい料理やお酒を当然楽しめ、現地の伝統舞踊なども披露してもらったりするので、ちょっと値の張る観光旅行のようなものです。

施設の見学や団体訪問も、基本的にはお客様なので、「へ~、こんな施設があるんですね」「ほ~、こんな事業を行ってるんですね」と反応すれば良いだけです。

私が民間企業で海外出張したときは、「わざわざ行くんだから絶対に仕事取って来いよ」とか「展示会でお客さん捕まえて、次のビジネス貰って来いよ」と上司から言われていました。

そのため、出張先でも寝ずにプレゼンの準備や事後のレポート作成など頑張った記憶があります。

その経験と比べると、「何も成果が必要とされない出張って、なんて楽なんだろう」と思いました。

国際部署の職員の仕事内容

そういった出張に当然ながら国際部署の職員も同行することになりますが、「海外出張に行けて羨ましい!」なんて単純な話ではないみたいです。

周年記念の視察団は首長や議員がメンバーに含まれているため、すべての行程で失敗は許されません

私も公務員になるまで知りませんでしたが、公務員は首長が参加するイベントや会議は絶対に失敗は許されず、準備や当日の運営に凄まじい神経を使います。

”絶対に首長の恥をかかせてはならない”、”首長の動きを妨げて困らせる事態が起こってはならない”という前提で、入念に準備をするのです。

また、議員に対してはさらに気を使い、”少しでも議員の機嫌を損ねてはならない”という考えのもと、部署のトップですら腰を低くして対応します。

それがベースの中で、大抵の海外視察が3日以上のスケジュールが組まれ、移動手段・式の内容・訪問先・挨拶手順などのすべてを完璧に準備しておかねばならないため、準備に多大な労力がかかります。

そしていざ出張の際も、常に首長と議員の一挙手一投足を見ながら行動し、何か不足があれば即座に対応するというのが仕事なので、非常に体力を使います。

慣れない海外の地で、日本にいるとき以上の気を使わなければならないため、とんでもなく大変な仕事です。

私はそういった出張は行きませんでしたが、行ってきた同僚は青白い顔で出勤してきて、「もう絶対行きたくない…」と嘆いていました。

議員のわがまま

また、議員は自治体職員から神様のような扱いを受けるため、天狗になるケースもあるようです。

視察先で「○○が欲しい」「△△はどこで買えるの?」「別行動しても良い?」など、常識では考えられないわがままを言う議員もいたそうです。

また、海外視察というからには議員としてもレポートなどにまとめて住民に示さなければなりませんが、その仕事も自治体職員に丸投げして代筆させることも横行しているようです。(これも以前ニュースになっていました)

このように、首長や議会が絡む海外出張は、自治体職員にとって全く美味しいものではなく、むしろ耐え難い苦痛を味わうもののようです。

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私が行った海外出張

以上、同僚のケースを紹介しましたが、実は私も公務員になって海外出張したことがあります。

といっても自治体から外郭団体に出向していたときです。

まさかの3か国訪問

その外郭団体は自治体から業務を委託されていて、その業務を自治体職員である私が行うという不思議な構図でしたが、とにかく自治体の仕事ではありました。

内容は翌年に控えている地場産品のPRイベントの準備と、周年事業に向けた相手方との調整で、計3か国を訪問するというものでした。

そして準備のための出張であるため、首長や議員は参加せず、完全に担当者のみで行く出張とのことでした。

正直その仕事を受けたときは超ラッキーだと思いました。

なぜなら公務員になって海外に行けるとは想像していなかったし、3か国とも行った国が無かったからです。

上司からその話を聞いたときは、「え~、3か国も行くなんて大変そうですね~…」と反応しましたが、心の中では歓喜していました。

出張の準備と現地での仕事

そこからは、先方とのメールでの調整や、行程の作成、航空券の手配といった仕事になります。

ここで公務員が面倒なのは、出張のための決裁を取る必要があり、すべての行程を組み上げたうえで航空券の見積もりを取り、出張者全員分の移動旅費や日当などすべて計算しなければならないという、とてつもなく細かく面倒で時間のかかる業務があります。

細かすぎるため、ノーミスで決裁が下りることはなく、何度も訂正を受け、そのたびに資料をすべて修正して印刷して回覧するという繰り返しがあり、「もう出張なんてしなくていいんじゃないか…?」と思うほどです。

しかしこんな出張は今後二度とないだろうと思い、必死に準備しました。

そして準備が整い、行程どおりに海外出張に行くことができました。

現地では、地場産品PRイベントの準備として、会場の下見と現地の業者さんとの打ち合わせを行いました。

周年事業の準備としては、同じく会場の下見と、相手先との打ち合わせ、そして視察団が翌年訪問する予定の各施設や観光スポットを訪れて導線の確認を行いました。

「観光スポット?」と思われるかもしれませんが、視察団は大抵、現地の名所は視察と称して廻ることとなっており、その案内などで不手際があってはならないため、導線などを事前確認する必要があるのです。

もちろん仕事をしながらですが、そうした名所も何か所か訪問することができて、正直言って最高の出張でした。

不透明な外郭団体の海外出張

以上、「前半で議員を批判しつつお前もか!」と言われるかもしれませんが、一応、出張先ではやることはやりました。

またその出張は外郭団体が行う出張であり、毎回あるような出張ではありません。

もしこれを自治体で行うとしたら内部で許可が得られないはずです。

しかし今回のような出張が行われたのは、会計の中身が見えにくい外郭団体の仕事だからです。

外郭団体は自治体から補助金などを貰って業務を行っていますが、あくまで自治体の外の団体であるため、自治体から会計手続きのチェックを受けることは少ないのです。

私はたまたまそのタイミングで外郭団体にいたため、普段、自治体では味わえない経験をさせてもらいました。

まとめ

以上、地方自治体職員の海外出張についてまとめました。

説明したとおり、姉妹都市提携都市が多い自治体ほど周年事業が多くなるので、海外出張のチャンスはあるかと思います。

また、それ以外にも観光や商工の部分でも、海外のお客様を対象にした事業があると思います。

そして議員の物見雄山や外郭団体の不透明な会計についても紹介しましたが、こうした問題も徐々にニュースで取り上げられるようになってきているので、今後は仕組みが変わってくるかもしれません。

 

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